負けた時こそ成長のチャンス。営業未経験からcircus最年少マネージャーへ。

リクルーティンググループ/マネージャー S.Y
負けた時こそ成長のチャンス。営業未経験からcircus最年少マネージャーへ。

父からの期待と優秀な兄との比較

法律家の多い家庭、いわゆる“法曹一家”に生まれ育ちました。
物心ついた頃から、スポーツ万能で生徒会長も務め、成績優秀な二つ上の兄と比較され、僕は必死にその背中を追いかけてきました。

兄とともに野球に打ち込み、高校はスポーツ推薦で進学。大学は家族の期待どおり法学部に進みました。
しかし就職を考えたとき、「自分の居場所は法律の世界ではない」と感じたのです。

弁護士として法律の道を進む兄や、父の期待の延長線上に自分の未来を置くのではなく、あえてまったく別の土俵で勝負したい。
「いつか必ず偉大な家族と肩を並べ、胸を張れるような人物になる」。
その決意こそが、僕の原点です。


「なんでもできる」より「これができる」人材へ

“やらない”ことは決まりました。
けれど、“やりたいこと”はまだ見つかっていなかった。

だったらまずは「なんでもできるようになってから、自分のやりたいことを探そう」。
そう考えて就職したのが、自動車整備会社向けの経営コンサルティング会社です。

その会社は年次に関係なく、新卒の時から営業も経営コンサルティングも任せてもらえる環境でした。
 ここなら幅広い経験を積み、その中から自分のやりたいことを見つけられるかもしれない。そう思い、入社を決めました。

入社してすぐ、担当クライアントである整備工場の経営改善に取り組みます。
作業工程の見直し、採用支援、チラシ作成、補助金活用のアドバイスなど、経営に必要と思うことはなんでもやりました。
整備工場は地方に多いため、平日は全国を飛び回り、家に帰れるのは土日のみという生活でした。

ハードな日々でしたが、現場に足を運ぶことで、職人気質の社長たちと少しずつ腹を割って話せるように。
とはいえ、新卒の自分が人生の大先輩に経営アドバイスをすることに気後れしていたのも事実。
そんな時に上司から掛けられた言葉があります。

「新卒のお前が完璧な提案をするのは無理だ。であれば質より速さで勝負しろ」。

それ以来、顧客へのレスポンスは“5分以内”を徹底しました。
小さなことですが、顧客の反応は確実に変わったのです。
ビジネスは細部の積み重ねで大きな差が生まれることを実感しました。

半年もすると全国を一人で回るようになりました。
しかしそれは同時に、見守ってくれる上司や先輩がいないということでもあります。

「レスポンスを早くする」――たったひと言のアドバイスでも大きく成長できるのに、一人で動いているとそうした学びの機会を取りこぼしているのではないか。そんな思いが芽生え始めました。

さらに、クライアントの採用支援に携わる中で気づいたことがあります。
20代のうちは「なんでもできる人」より、「営業で成果を出せる人」の方が市場価値は高いのだ、と。

“なんでも屋”から、“営業のスペシャリスト”へ。
キャリアの突破口を開くため、転職を決意しました。

小さな積み重ねと大きな成長

営業力をつけるなら、難易度が高ければ高いほどいい。
そう考えて転職活動で決めた軸は以下の2点。

・無形商材のSaaSプロダクトを扱うベンチャー企業
・新規開拓営業

複数の大手SaaS系ベンチャーから内定をいただきましたが、最も鮮明に自分が活躍するイメージを持てたのがcircusでした。

理由はまず、ビジネスモデルの秀逸さです。
circusAGENT は「HRに関わるすべての企業が使わない理由がない」と思えるほど練り込まれたプロダクトだと感じました。

加えて、人材紹介プラットフォーム市場は成長余地が大きく、それなのに競合が少ない。
しかも創業以来、売上が前年比200%を続ける急成長企業でありながらも組織の成長が追いついていない。

ここなら営業として成果を出し、早期にポジションアップを実現できる。そう確信して入社を決めました。

とはいえ、人材業界も営業も未経験。
だからこそ、人と同じやり方では駄目だと思い、初日から全力で挑みました。

日中はテレアポに集中し、退勤後は異業種交流会に参加して名刺を配り歩きます。さらにビジネスSNSも活用し、そこから多くの受注につなげました。

また、自分から離れた部署にある課題を見つけたら、「自分ならどう解決するか」と自分の問題に引き寄せて考え、いつ上司に意見を求められても資料を提出できるように準備を整えていました。

自チームの業務改善案や、全社課題の解決案、新しいビジネスモデルの提案など常時4,5個の資料を用意していたと思います。
上司にプレゼンできたものもありますが、誰の目にも触れずお蔵入りになった資料も沢山あります。
でも、それでいいんです。
はたから見れば徒労に見えるかもしれませんが、このアクションそのものが自分を鍛えてくれたから。

成長の機会は目に見える大きな仕事だけにあるわけではありません。
どんな環境にも学びの種はあり、それを拾い、積み重ねていくことで確かな力になるのだと思いました。

こうした積み重ねが評価され、入社から8か月でマネージャーを任されることになりました。

人生、負けるが勝ち

僕は、circusが生み出すプロダクトが、就職・採用に関わるすべての人に使われる未来を明確に描いています。

けれど、その道のりには無数の課題が階段のように積み重なっています。
時にはその階段が難攻不落の壁に見えることもあるし、一段登ったと思ったら底が抜け、また一からやり直し。
そんな瞬間も山ほどあります。

マネージャー1年目。まだまだ完璧にはほど遠いけれど、確かに以前よりは強くなれている。

僕は、僕を強くしてくれた正体を知っています。
それは「勝利」ではなく「負け」でした。

兄との競争、野球でのレギュラー争い、未経験からの挑戦。
悔しさに耐え、工夫を重ねて這い上がる。そのプロセスこそが僕を鍛えてくれました。
だから今も、僕は「負け」を求めています。

挑戦すれば必ず壁にぶつかり、時には打ちのめされる。
でも、そこから立ち上がるたびに、描いた未来に近づいていくと思うから。

circusというベンチャー企業は、今日も僕に新しい壁を打ち立ててくれる。
それを越えるたびにちょっと強くなり、次の壁がちょっと楽しみになる自分がいます。

※所属・役職はすべて取材当時(2025年8月時点)のものです。