
"努力"は未来の自分への贈りもの。信じた道を、正解にする力を。

医者家系に生まれて~自分の存在意義を探し始めた原点
父は開業医、母は薬剤師。三兄弟の末っ子です。
両親が特に期待を寄せていたのは、学校で常に成績トップの長男。(長男はのちに医者になります)
私が親から注目してもらうには、勉強とは別の分野で勝負するしかありませんでした。
「これなら勝てるかもしれない」
初めてそう思えたのが、野球です。
小学校低学年からキャプテンを任され、中学ではクラブチームに所属。
高校は甲子園出場経験のある公立校へ進学しました。
高校球児の朝はおにぎりから始まります。
朝6時、起きた瞬間から食べ始め、授業の合間や休憩時間など隙あらば食事をとり、一日8食以上の食事トレーニングと厳しい練習のおかげで左投げ最速137kmを出せるピッチャー体型を作りあげました。
結局、甲子園への出場はかなわなかったのですが、強豪の大学野球部から推薦のお話をいただきました。
しかし小学校から野球一筋だったのでそこで燃え尽き、野球とは関係のない理系の大学に進学することにしました。
カルチャーショックから始まった社会人生活
大学では、野球とは無縁の楽しいキャンパスライフをスタート。
当時、理系学部は大学院進学が一般的だったので、私もそのつもりでいました。
ところが大学四年の夏、まさかの院試不合格。
そこから焦って就職活動を始めましたが、時すでに遅し。
多くの企業は募集を締め切っていました。
研究室の友人の紹介で唯一受けることができたのが、海洋分野に強い大手上場ゼネコン企業です。
業務内容もよくイメージできていないままでしたが「大企業であること」「社会貢献性が高いこと」「給与が高いこと」を理由に就職を決めました。
しかし、現場配属初日からカルチャーショックを受けます。
資料がドンと机に置かれ、上司からの指示は「これ、読んどいて」のみ。
そして知った「職場では私語厳禁」という暗黙のルール。
正直、「就職先、間違えたかも」と一瞬思いました(笑)。
転機が訪れたのは2年目。
開発グループへ異動となり、後に特許取得につながる技術開発のビッグプロジェクトに携わることができたのです。
プロジェクトをリードし、成果を出すこともできましたが私の評価はABCランクのCのまま。
年功序列の会社で、新卒が評価の対象になるのはまだ先ということが分かり絶望しました。
―もっと実力で評価される環境で挑戦したい―
そう決意し、完全実力主義の大手人材紹介会社に転職しました。
満たされていく承認欲求。そして見つけたキャリアのテーマ。
初めて飛び込んだ営業の世界。
右も左もわからない中で、最初に決めたのは「できる人を徹底的に真似る」ことです。
全社キックオフで表彰されたトッププレイヤーにぴったり張り付き、営業トークはもちろん、立ち居振る舞い、仕事へのスタンスまで、すべて憑依するように学び取りました。
そうすると早期に成果が出始め、目標達成率は120%、140%と安定し、新人賞やMVPも受賞できるように。
完全実力主義の会社だったため異例のスピードで昇進し、心の奥底にずっとあった「認められたい」という強い欲求が、ようやく満たされていくような感覚がありました。
しかし、充実した日々を送る中で、拭いきれない違和感が芽生え始めました。
それは、キャリアコンサルタントとして就職支援した求職者の中で、早期に離職してしまったり、職場で十分に活躍できずに再び私たちのもとへ就職の相談に来られる人が少なくなかったことです。
その原因にはうっすらと自覚がありました。
当時の人材紹介会社の仕組みとして、「求職者に本当に合っているか」という本質よりも、「成約に繋がりやすい企業」が優先的に紹介される傾向が少なからずあったからです。
この状況を生み出しているのは、もしかしたら今の人材紹介会社の仕組みそのものかもしれない。
そんなことを考えているうちに、一つの問いが浮かびました。
「人は、どうすればその人らしく活躍できるのだろうか」
幼い頃から、勝負の世界で「勝ちたい」と強く願い、親や監督からの「評価」を原動力として生きてきた私。
「どうすれば自分は活躍できるのか」という問いへの答えを、無意識のうちにずっと探し続けていたのかもしれません。
だからこそ、「これは自分のキャリアを懸けて取り組むべきテーマだ」と、まるで何かに導かれたような気持ちになったのです。
そんな折、一人のキャリアコンサルタントから紹介されたのが、circusです。
「HRに、New Standardを。」というテーマを掲げ、HR業界全体の課題解決に取り組む会社だということ。
人材紹介業界のアンフェアな商習慣を、構造そのものから改善しようとしている事業の考え方に、ハッとさせられました。
「どうすれば人は活躍できるのか」
長年抱き続けてきたこの問いへの答えが、この場所で見つかるかもしれない――
そんな想いが背中を押し、circusへの入社を決意しました。
現在、人事部で中途採用を担当しています。
自分自身、「活躍」の機会を得て成長できた経験があるからこそ、今の採用業務は「事業を共に成長させる仲間探し」だと捉えています。
事業に共感し、共に困難を乗り越え、そして成長する仲間と共に会社を大きくしていく。
それが、人事として私が実現したいことです。
努力の軌跡は、未来の輝きへ。
「勝ちたい」「認められたい」その一心で、これまでがむしゃらに走ってきました。
負けたことも、失敗したことも数えきれません。
でも今思うのは、「本当の失敗」なんてどこにもない、ということ。
失敗をそのまま失敗で終わらせるのか、成功への糧に変えるのかは、すべて自分次第。
過去の悔し涙を流している自分には「今まで頑張ってくれて、ありがとう」と声をかけてあげたいし、未来の自分からは 「あの時頑張ってくれて、ありがとう」と言われたい。
努力は未来へのプレゼント。
全ての経験を糧にして、選んだ道を自分で正解にしていきたいと思います。